「返還すれば済む話でない」 ベテラン県議の政活費問題 オンブズが批判
男性県議(59)=5期目、自民=が「事実関係が判然としない」などとして、平成24~27年度の政務活動費の一部に利息を加えた計約83万円を返還していた問題で28日、県議会事務局長と議長に公開質問状を提出した市民団体「県市民オンブズマン連絡会議」は県庁で会見し、「返還すれば済むという話ではない。条例に基づき正しく政活費を使ってほしい」と断じた。
この県議の政活費をめぐっては昨年12月、同オンブズが、「25、26年度分計481万円が不当な支出」として返還を求め奈良地裁に提訴。その後訴訟の書面で、県議が返還請求されたうち65万円のほか、24、27年度分の一部を加えた計約83万円を「事務担当者と連絡が取れず、事実関係が判然としない部分があり、道義的責任があるので利息も含め返還する」などと返還していたことが判明したという。
オンブズは、政活費の収支報告書の訂正届を議長に提出すれば返還ができる手続きについても「簡単に出し入れでき、チェック体制が甘い」と指摘。公開質問状の期限は10月28日で、受け取った上田博文議会事務局長は「議長と相談し対応を決めていく」と述べた。
オンブズは今年2月、県議が領収書を偽造して24、25年度に政活費計約38万円を不正取得したとして詐欺罪で奈良地検に告発、受理された。告発状では県議が実在しない店の領収書を収支報告書に添付していたことも指摘されている。
議会の休憩時間に取材に応じた県議は「現在私なりに調査しているので、後日お話できることがあれば機会を持ちたい」と述べた。
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