奈良のいい店 公式アプリで…観光客呼べ、 「大仏商法」改めるられるかカギ
観光客の消費意欲を刺激して奈良県内の経済活性化につなげようと、奈良県は来年1月から、奈良市内のお得な店舗情報を掲載したスマートフォン用の県公式アプリ「ならたん―きょうから奈良へ」を配信する。アプリでは地図上で付近の店舗情報を検索できたり、割引クーポン券を入手できたりするという。
「ならたん」という言葉には「奈良を探検、探索」してほしいとの意味を込めた。来年1月4日配信予定で、アプリには奈良公園やならまち、JR奈良駅周辺など、観光客が多いエリアで営業する店舗の情報や割引クーポンが掲載される。クーポンによって生じた割引費用は県が補填するという。
奈良県は今月末までクーポン利用に協力する店舗約100店を募集している。県担当者は「奈良はまだまだ魅力的なお店の存在が知られていない。観光客と店を結びつけて消費につなげたい」としている。
アプリの詳細や協力店舗の申し込みは、ならたんホームページ(https://www.naratan.com)。
潮目変わりつつある今こそ工夫求められる
「大仏商法」。奈良の商売に対する姿勢を揶揄する言葉として知られるのがこの表現だ。国内有数の世界遺産を抱える一大観光地だが、宿泊施設の少なさから日帰り客が多く、大阪や京都、神戸に比べると県庁所在地付近の飲食店の閉店時間も早い。そのためか、「奈良の夜は暗い」とマイナスイメージでとらえられることもしばしばだ。
奈良県観光客動態調査によると、平成26年の観光入込客数は日帰り客が約1893万人、宿泊客が約200万人だった。1人あたりの観光消費額は宿泊客が2万5966円で、日帰り客は3871円。全国でもかなり低い方で、観光消費総額は約1252億円だった。たとえば京都の26年の観光消費総額は約8139億円で、昨年は1兆円を超えている。
こうした現状について、奈良市観光協会の鷲見哲男専務理事は「奈良にはいいお店がたくさんあるが、看板が控えめだったり、深夜営業の店が2階や路地にあったりして、気付かれにくい」と話す。そのため、観光客の積極的な消費行動に結びついていないというのだ。
一方、奈良市内では平成32年に外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」が開業を予定。全国最低レベルの宿泊施設の少なさが課題だったが、誘致が決まって以降は県にも複数の国際級ホテルから立地の問い合わせがあるという。
鷲見専務理事は「ホテルができれば宿泊客が増える。潮目が変わりつつある今こそ、各店舗はどうすれば観光客を引き寄せられるのか、『見せ方』を工夫する必要がある」とした。

観光客や修学旅行生でにぎわう近鉄奈良駅前の商店街。観光客の知らない「穴場」も多い=奈良市東向中町の東向商店街


































