唯一、陸自駐屯地ない奈良に誘致 推進協を設立 「防災に不可欠」
2016年11月1日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良に陸上自衛隊の駐屯地を誘致しようと、奈良県と五條市、県南部の3町8村は31日、「県南部陸上自衛隊駐屯地誘致推進協議会」(会長・太田好紀五條市長)を設立した。これまで奈良県と五條市のみで防衛省に要望してきたが、今後は県南部の課題として、協議会で誘致に向けた活動を本格化させる。
奈良は全国の都道府県で唯一、陸上自衛隊の駐屯地がない。大きな被害が出た平成23年の紀伊半島豪雨でも、京都府宇治市の大久保駐屯地に自衛隊の派遣を要請した。荒井正吾知事は、「奈良に駐屯地を置く必要がある」と訴え、具体的な候補地として五條市を挙げている。
協議会には参加自治体の市町村長や地元選出県議のほか、荒井知事も顧問として参加した。この日の設立総会では、駐屯地の誘致に関する要望書を防衛省に提出することが全会一致で決議された。
太田市長は「安心、安全な防災を実現するために自衛隊は必要不可欠。誘致に向けてがんばりたい」と決意表明。荒井知事も、「県の防災拠点を作ることは重要な事業だ」と話した。