【愛和会不正事件】 森章浩・田原本町長が会見で「深くおわび」
奈良県田原本町の社会福祉法人「愛和会」が町に偽の領収書を提出したとして、有印私文書偽造・同行使容疑で法人元理事長、森和俊(69)=田原本町八田=と長女で保育園園長、吉村久見子(43)両容疑者が県警に逮捕された事件に関連し、2人が同町の森章浩町長(41)の実父と実姉だったことから、森町長は21日、急遽会見を開き、「町長として、お騒がせしていることを深くおわびします。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
森町長は同日午後5時半から町役場で会見し、「数カ月前に県警から捜査協力依頼があり、透明性を期すために私が資料を提出した」と説明。「現在かなり混乱している。身内だからといって甘くは考えず、公人としてしっかりと対処していきたい」と話した。
森町長は今年1月、前町長の辞職に伴う町長選に子育て支援の充実などを訴えて立候補し、初当選した。県内最年少の町村長となった。
京大農学部卒で、短大職員を経て、昨年12月まで、愛和会の理事として、法人が運営する朝和保育園(天理市)で園長を務めていた。
森町長によると、町は法人に約20年前から事業を委託していたという。森町長は「私も法人に所属していたが、お金の使い方については知らなかった」と関与を否定。町が法人に委託している他の事業については「過去にまでさかのぼって不正がなかったか精査する」と話した。
記者から進退について問われると、「不正にかかわっておらず、辞任は考えていない」とし、「今後、第三者委員会をつくり、きっちりチェックを行い、不正防止対策を取る」と約束した。
愛和会が運営する保育園に通う園児の保護者は、「いい保育園だと思います」と困惑した様子。「このような不正が身近で起こったことに驚いた。子供たちに影響がなければいいけれど」と不安そうだった。