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【鹿角抄(コラム)】式年造替…本物にこだわる美


白い大幕にほの明かりが映り、神秘な雰囲気が漂った「正遷宮」=11月6日、奈良市の春日大社(門井聡撮影)

白い大幕にほの明かりが映り、神秘な雰囲気が漂った「正遷宮」=11月6日、奈良市の春日大社(門井聡撮影)

20年に1度…。今月6日、ご神体が戻った「正遷宮」で最高潮を迎えた春日大社(奈良市)の国宝・本殿修理「式年造替」。その周期は人にとっては世代が代わる一時代だ。
「こうした機会に巡り合えて有り難い」。神職も職人らも口をそろえて語る。私も20年に1度の取材をすることができて幸せだと思う。前回の平成7年といえば入社して3年目で、別の支局にいた。定年後となる20年先は会社にはいないだろう。今回、唯一の取材機会に恵まれたわけで、有り難いと思う。
20年に1度、「式年遷宮」が行われている伊勢神宮(三重県伊勢市)の社殿の美について初めて触れたのは学生時代に、ドイツの建築家、ブルーノ・タウトの著書「日本美の再発見」を通じてだった。伊勢神宮や桂離宮(京都市)の簡素な美が紹介されていて、目から鱗だったことを覚えている。
ところで、社殿を建て替える式年遷宮の目的は常に瑞々しい美を保つ「常若」という精神があげられ、国宝に指定された明治以降は修理となっている式年造替も清浄さを高めるためなどとされる。清らかなところに神は宿るのである。さらに、周期的な機会によって匠の技が継承されることに大きな意義がある。古式を守らないといけないために、時代が変化しても建物や調度に関わる職人によって古来の技が受け継がれていくのだ。
春日大社本殿は、柱や扉などに深い赤色を見せる貴重な本朱(水銀朱)が100%使われる珍しい例といい、もちろん今回も本朱を使って塗り替えられた。扉に掛けられる御簾は100ほどの金具が飾られる豪華さが目を引くが、緑青の岩絵具が塗られた竹と朱色の絹糸のコントラストが鮮やか。制作に携わった職人によると、こうした岩絵具を塗る御簾は今では珍しくなったという。代用ではなく本物の材料、本物の技にこだわることが大事なのだ。
式年造替は永遠の清らかさを追求する文化とともに、手仕事の国を実感させる習わしだ。初めてで最後となるだろう貴重な取材をさせてもらった。     (岩口利一)

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