【やまと人巡り】「竪義」で満行迎える 薬師寺僧侶の村上定運さん(31)
2016年11月28日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
「有り難いと、感謝の念を抱きながら臨みました」。今月13日、一人前の学僧となるための口頭試問「竪義(りゅうぎ)」が薬師寺(奈良市)で行われ、見事に満行を迎えた同寺僧侶、村上定運さん(31)は語る。
竪義は法相宗の薬師寺、興福寺が営む法要「慈恩会」の後に行われる教義に関する問答で、難関だ。10月21日から入った「前加行(ぜんけぎょう)」は部屋に籠もって学び、眠るのも座ったままという厳しい行。迎えた当日について「頭はさえていたが、夢か現(うつつ)かといった感じだった」と振り返る。
登竜門をくぐった今後は「生き生きとした姿で、感謝する心など大切なことを若い人に伝えたい」。持ち前の明るさとユーモアをさらに発揮しそうだ。 (岩)