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【鹿角抄(コラム)】言葉は大事、心はもっと大事 夜間中学文化祭を訪ねて…


10月末、奈良県天理市で開かれた「天理の夜間中学文化祭」をのぞいてみた。今年で開校37年の市立北中学校夜間学級には、戦争や家庭の事情で教育を受けられなかった生徒40人が学ぶ。年齢は20代前半から、最高齢は97歳。国籍も日本だけでなく中国、タイ、ベトナムとさまざまだ。当日は生徒手作りの中華粥やバナナ春巻きなど各国の料理が販売され、多くの来場者でにぎわった。
会場には生徒が書いた作文を展示する一室があった。その中で、朝鮮半島出身の80代の女性が書いた文章が、強く印象に残った。
戦争の影響で教育を受けられず、差別も経験したという彼女は作文に、文字の読み書きを学んで「引っ込み思案」だった性格が変わった喜びを綴るとともに、文字に苦労する仲間との交流を振り返りながら、こう書いていた。
「ことばはうまく使えなくても、一緒に勉強しているうちに、なんとなく何が言いたいのか、わかってくるもんなんですねえ。ことばはしらなくても、心は通じる。ことばも大事やけど、人の心はもっと大事やと思うようになりました」
読み書きができる喜びをかみしめながら、「心はもっと大事」と書いた彼女の文章に、強く胸を打たれたと同時に、改めて「心が通じる」ということの意味を考えてみたくなった。
人間のあらゆる活動は、言葉を介することで成り立っている。仕事上のやりとり、友人との交遊、一人で思索にふけるときも、言葉がその中心的な役割を果たしている。
一方で、心が通じるというのは、言葉以前のところで意思疎通ができるということなのだろう。言葉を介さなくても、相手が考えていることや感じていることが分かる、つまり、それだけの想像力や思いやりが働く、ということなのだと思う。
彼女の作文に出合って感じたのは、日ごろ、言葉は通じていても、心が通じていない人間関係が多くあるのではないか、ということだった。
「心のつながり」などというと、今の時代には古くさくて笑われそうな響きもあるが、そんな時代だからこそ、真剣に思いめぐらせる価値があるのだと、強く思う。     (浜川太一)

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