たっくんのバームクーヘン屋さん、再起のオープン クラウドファンディングで異例の集金
9月に火災で閉店した河合町の洋菓子店「たっくんのバームクーヘン屋さん」が17日、奈良市に物販専門店をオープンした。インターネットで寄付を募る「クラウドファンディング」で資金を集めたところ、開始2日で目標額の70万円に到達した。河合町の店舗も来年2月初旬に再開できる見通しといい、代表の佐原知時(ともとき)さん(45)は、「助けてくれたファンに恩返しがしたい」と話している。
同店のバームクーヘンは吉野産の鶏卵や五條産のはちみつを使ったこだわりの逸品。しっとりとした仕上がりが評判だった。
だが、今年9月20日午前9時ごろ、調理場から出火し、隣の牛乳販売店など3棟約180平方㍍を全焼した。はちみつを湯煎するコンロの火の消し忘れが原因だったという。幸いけが人はなく、佐原さんも友人の励ましで「何とか前を向き直すことができた」という。
店舗再開の資金を集めようと、11月末からクラウドファンディングを開始。今月14日時点で、目標額の倍以上にあたる総額167万円が集まっており、サイトを運営する「サイバーエージェント・クラウドファンディング」関西支社長の菊地凌輔さん(23)は「競争が激しいスイーツ部門で短期にこれだけ資金が集まるのは異例。多くのファンがいる証拠」と話す。
再開を機に、人気商品「春鹿バーム」(税込み1400円)などに加え、奈良のご当地悪役キャラ「ブラックス将軍」とコラボした新商品「ブラックスバーム」も開発中。「感謝の気持ちを忘れず、社会に貢献できる店にしたい」(佐原さん)と、30日午後には「森のカフェひがしむきガーデンズ」(奈良市)で再開後初のイベント「バームクーヘン解体ショー」も開く予定だ。
【メモ】
「たっくんのバームクーヘン屋さん」(奈良市大宮町2の5の2)は午前10時半~午後6時営業。日曜祝日は休業。問い合わせは同店(☎070・5346・5563)。