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【なら正月記 四】 もてなしの心 源流で知る わび茶の祖、珠光の境地


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「まずは一服どうぞ」。正座をすると、指導役の堂後宗邑・表千家教授(49)にすすめられ、「客」として薄茶をいただくことに。干菓子を食べている間に「亭主」役の生徒が点ててくれる。堂後教授が「茶道はおもてなしと謙譲の心」と話す通り、亭主は茶器一式をふくさで清め、冬は冷えるため茶筅や茶碗を湯で温める。
薄茶を出されると、左隣の人に「お先にちょうだいいたします」、亭主には「お点前をちょうだいいたします」と断ったうえで茶碗を上げ、神仏に感謝の意を示す。茶碗を左手にのせ、右手を軽く添え、時計回りに2度回す。
口の中に苦みが広がるが、ほのかな甘みも。飲み終わると、右手親指と人さし指で軽く飲み口を拭き、手は懐紙でぬぐう。茶碗を今度は反対に回し、正面を亭主側に戻して置いた。
釜で湯が沸く音、茶の香り、茶碗の感触…。ぎこちない自分の作法だが、茶の文化を五感で体験できた。
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実は奈良と茶は縁が深い。
鎌倉時代に西大寺(奈良市)を中興した僧、叡尊が鎮守、八幡神社に供えた茶の残りを振る舞ったという伝承にちなんだ「大茶盛式」を知る人も多いだろう。当時、西大寺や興福寺などは茶園を持ち、室町時代になると寺院では茶を飲み産地を当てる「闘茶」も行われたという。
さらに、「わび茶」の祖とされる室町時代の茶人、珠光は奈良出身だ。茶道は「茶」と「禅」の関係が深まったことにより、「わび」といった文化に広がったとされる。珠光は有名な千利休が活躍する前に「茶禅一味」の境地に至ったとされ、その背景には喫茶文化の先進地だった奈良があったと考えられている。
こうした珠光にちなみ、毎年2月(今年は7~12日)には社寺で「珠光茶会」が催されている。茶の文化の源流が奈良にあることを発信する目的で、仲川げん・奈良市長は「珠光茶会は4回目を迎え、認知されつつある恒例行事となった。観光を盛り上げるイベントとなれば」と期待する。
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表千家堂後茶道教室は、稽古を堅苦しいものではなく、茶の湯を楽しむための立ち居振る舞いを知ってもらう機会としている。そんな稽古に通う生徒は学生からリタイアした人までと、実にさまざまだ。
「ハードルが高いと思っていたが、振る舞ってもらったお茶にひかれた。普段の生活にも所作が生きれば」と、習い始めて間もない野迫川村の長谷川桂二さん(50)。10年のキャリアを持つ奈良市の吉倉英美さん(28)は「日本文化に触れたいと思って始めた。茶道は総合的な芸術のようなもので、さまざまな角度から学び、楽しめる」と、ますます魅力を感じているという。
堂後教授は「茶道の源流とされる奈良で、いくら習っても完成されることのない奥深さや多面性を知ってもらえれば」と語る。
客を思う「もてなしの心」が凝縮された茶道。そんな和の本質こそが心を豊かにしてくれる。   (石橋明日佳)

表千家堂後茶道教室 奈良市内には大森教室(大森町10―1)と高御門教室(高御門町36)がある。主に茶を点てる点前や客作法を学ぶ。茶道には流派ごとの点前、作法があり、口伝で伝えられる。表千家には9つの免状があり、うち7つの免状は稽古年月と稽古実績に応じて師範による取り継ぎが可能で、他2つは家元による伝授のみ。稽古は水曜午後7時~と土曜午後3時~。見学は初回無料。(☎0742・31・3058)。

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