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【障害児支援】 平群の中野康子さん(68)、ひとりで支援団体「ひとつぶのたね」を設立 


「ひとつぶのたね」を立ち上げた中野康子さん(右)と娘の弥生さん

「ひとつぶのたね」を立ち上げた中野康子さん(右)と娘の弥生さん

障害のある子供や家族の力になりたい。そんな思いから、支援団体を1人で設立した女性がいる。奈良県平群町の主婦、中野康子さん(68)。知的障害がある長女・弥生さん(38)を育てた経験から、「若いお母さんの支えになれたら」と立ち上がった。「同じ立場の人が思いを分かち合い、共にできることを考えたい」と話している。

□「仲間がいれば助けに」

 木材の色合いと香りが心地よい空間に、陽光が燦々(さんさん)と降り注ぐ。住宅街の一角に建つ木造2階建ての家は、中野さんが設立した支援団体「ひとつぶのたね」の活動拠点として、自宅の隣に新築したものだ。
目指すのは、「障害児を持つ親が集って育児の情報交換ができる場」。昨年10月に開所以来、平日の日中は常時開放している。少しずつ来訪者も増え、中野さんが育児や就労に関する相談に応じている。
家族や自身の貯金など約5千万円を投じてまで支援団体を設立したのは、次女(32)の子供が通う幼稚園で、発達障害の子供を育てる母親と出会ったのがきっかけ。障害を持つ子供の子育てに悩みながら懸命に取り組む姿がかつての自分と重なり、「力になりたい」と思ったという。
中野さんが弥生さんを出産したのは29歳の時。3020㌘と大きかったが、酸欠で顔が青く、すぐに保育器に入れられた。1歳を過ぎたころ、突発性発疹による高熱を発症。ひきつけも起こした。
歩き始めが遅いため病院を受診すると、左脳にかすかな損傷があるため、運動障害が出ていると診断された。7歳の時、障害者手帳を受け取った。
「希望を持ってはだめ」と医師に言われ、「切り捨てられた気持ち」を味わったこともある。だが弥生さんは元気に成長し、地元の小中、養護学校を卒業。現在は大阪府大東市にある事業所に週5日間通い、内職や農作業にと頑張っている。
子育ての傍ら、銀行勤めに自宅での父親の介護と、多忙な日々を送ってきた中野さん。折に触れ感じていた「しんどい時に『自分は一人じゃない』と思える仲間がいれば、どれほど助けになるか」との思いも、支援団体設立の原動力となった。
家の建設は一昨年8月に開始。内装には自然素材を用い、明るい空間づくりにこだわった。完成間近の昨年7月には、神奈川県相模原市の障害者施設で入所者19人が刺殺される事件が発生。「障害者はいなくなればいい」と供述した容疑者に怒りと悲しみがこみ上げた。「人間はみな必ず老いて病気になり、けがもする。目や耳が悪くなったりし、誰もがいつか心身に不自由や障害を持つ。そんな想像力を持てば、他者にもっと優しくできるはず」
たった1人で団体を立ち上げてから約3カ月。近ごろは来訪者だけでなく、埼玉など遠方から障害児の育児相談も電話で受けるようになった。「新たな出会いを通じ、団体がこれからどんな花を咲かせていけるか楽しみ」と中野さん。今後は団体の法人格取得を目指し、障害者の就労支援につながる取り組みも進めていきたいという。ひとつぶのたね③ 屋内 縦

 家は平群町初香台で月~金曜の午前9時~午後5時と、土曜午前9時~午後3時に開所。問い合わせは、中野さん(☎0745・47・1510)。

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