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【鹿角抄(コラム)】 奈良時代のたくましさ 「端正」「典雅」「剛勁」


興福寺 古都・奈良のランドマークである興福寺五重塔(国宝)。見慣れた姿だが、1月のある朝、凛とした空気の中で、木組みの美しさ、力強さに改めて見とれてしまった。奈良時代に創建されて以降、焼失、再建を繰り返しながら当初の精神を伝えているわけだが、現代で今後千年も継承される建造物はあるだろうか。
ここ最近、1世紀ぶりの解体修理が進む薬師寺東塔(国宝)、発掘調査が行われた東大寺東塔跡と、塔に関する取材が続いた。薬師寺東塔はこれまで大小の屋根が重なる華麗な姿に目を奪われてきた。今は失われた七重の東大寺東塔で驚くのは何と言っても100㍍に至ったともされる高さだ。古代の寺院でこうした塔が相次いで建てられたのはなぜなのだろう。しかも五重、七重と高く積み重ねられたわけは…。
仏塔は本来は舎利(釈迦の遺骨)を納めた墓とされる。聖なる寺院の象徴的な建造物となるのだが、現存する塔を眺めていると、「美しく造りたい」「技を見せつけてやろう」、さらには「天と地をつなぎたい」といった希求が伝わってくるような気がする。
奈良時代は塔に限らず、東大寺大仏殿(国宝)や興福寺中金堂など巨大建造物が建てられ、荘厳な仏像が祭られた。それらから思うのは当時の人たちの祈り、そしてエネルギー、たくましさだ。先進国、唐(中国)の情報が入る一方、飢饉や災害も相次ぐ中、宗教文化を中心に国力を高めようとした渇望を感じる。
東大寺二月堂の修二会(お水取り)や法隆寺の修正会など国家の安泰や人々の幸福を祈る行が始まったのも当時だ。カリスマ僧侶も登場した。行基は庶民のために架橋、治水を行い、説法をして回った。そんな精神力が育まれた平城京は海外から人と文物が入ってきた刺激的な国際都市だった。だが、今のような機械もライフラインもなかった。それなのに千年後に残るものを築けたのだ。
奈良・天平の時代精神を多川俊映・興福寺貫首は、「端正」「典雅」「剛勁」という3つの言葉で言い表す。千年後、今の時代はどう表されるのだろう。   (岩口利一)

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