【奈良 風物詩】白銀の飛火野で「鹿寄せ」 ベートーベンの「田園」、ホルンの音色に100頭がぞ・く・ぞ・く…
2017年02月10日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
ホルンの音色でシカたちを呼び寄せる冬の風物詩「鹿寄せ」が9日朝、奈良市の奈良公園で始まった。奈良地方気象台によると、この日の奈良市は正午に2㌢の積雪を記録、最高気温も3・3度と低く、飛火野(とびひの)が白銀に染まる中、シカが集まる光景に観光客らがカメラを向けていた。
奈良市観光協会が企画する「冬の奈良大和路キャンペーン」の一環として開催。奈良の鹿愛護会の宇津木謙一さん(28)がナチュラルホルンでベートーベンの「田園」の一節を演奏すると、約100頭のシカが一斉に林の奥から駆け寄った。奈良市の無職、野本寛一さん(80)は「雪が降ると、風情が出ていい。シカと人間の交流が見られるのも日本の文化という感じがして、すばらしい」と話していた。
3月12日までの毎朝午前10時から実施(月曜を除く)。問い合わせは奈良の鹿愛護会(☎0742・22・2388)。