【やまと人巡り】 心のつながり生む藤岡家住宅 「五條にこんな人が…誇りを」川村優理館長
2017年03月17日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良県五條市近内町にある国の登録有形文化財「藤岡家住宅」を管理・運営するNPO法人うちのの館の館長、川村優理さん(58)=五條市在住=は「どれだけの資料があるのか、数え切れません」と話す。
藤岡家住宅は、官選知事を務める一方、俳人として知られた故・藤岡長和(俳号・玉骨、1888~1966年)の生家で、玉骨が集めた品々など膨大な歴史的に貴重な資料が保存され、施設は現在一般公開されている。
川村館長は児童文学作家の故・川村たかし氏の長女で、タイの民話を研究し翻訳も出版している。平成16年から行われた藤岡家住宅の修復・活用には、たかし氏とともに当初から関わり、学芸員として資料の整理にもあたっている。
多くの研究者やボランティアと出会い、一緒に活動してきた。「この藤岡家住宅が、多くの人との心のつながりを生んでいます」と振り返る。
現在、正岡子規・夏目漱石・南方熊楠の生誕150年に合わせた展示「子規の時代」(3月25日まで)を開催中。「『こういうものがありました』という資料整理の報告でもあります。そして、地元の子供には、五條にこんなに偉い人がいたということを知り、誇りを持ってほしい」と期待する。 (岳)