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【なら食と農の魅力創造国際大学校】 続く定員割れ 批判相次ぐ…「周知不足」「卒業後が不安」


調理実習に励む学生

調理実習に励む学生

奈良県桜井市の「なら食と農の魅力創造国際大学校(NAFIC)」は今月、開校2年目を迎えた。「食と農のトップランナーを育てる」と荒井正吾知事の肝いりで開校した同校だが、2年連続定員割れとなり、県が進める同校を核としたリゾート施設整備にも、県議会の一部から批判の声が上がる。何が課題となっているのか。  (田中佐和)
■「食」で奈良PR
JR・近鉄の桜井駅から車で約15分。のどかな農村地帯にNAFICはある。昨年4月、同市の農業大学校を再編する形で開校した。従来の農業大学校の機能は「アグリマネジメント学科」(池之内校舎)が引き継ぎ、新たに飲食サービス業界で活躍する人材を育てる「フードクリエイティブ学科」(安倍校舎)が施設建設費約17億円を投じて開設された。
安倍校舎には、全国でフランス料理店を展開する「ひらまつ」(東京)が運営する宿泊型レストラン「オーベルジュ・ド・ぷれざんす桜井」を併設。ミシュラン一つ星店でもある同オーベルジュでの調理・サービス実習は大きな売りだ。
授業には農業実習やマネジメント研修も含まれる。調理技術を専門的に磨く他の調理師学校とは異なり、食材の生産から調理、経営にも通じた農業者やシェフ、レストラン経営者を育てようという、全国でも珍しい取り組みといえる。
■人が集まらず
だが、ある課題に直面している。定員割れだ。同校は2年制で定員は両学科とも20人。アグリ科は平成28、29年度ともに募集を超える応募があったが、フード科は28年度が15人。今月入学の29年度生も3次募集までしてようやく13人を集めた。
3月、安倍校舎を訪ねた。調理室ではフード科の学生がミカンやブルーベリーのジャム作りに精を出していた。年齢は10~60代と幅広い。高卒の学生もいれば、定年後の第二の人生としてカフェを開くという目標を持った学生もいる。
インターネットで同校を知ったという三上彩さん(19)は、「料理だけでなく、農業も学べるのがおもしろいと感じて入学した。卒業後はレストランに就職して、将来的には家族連れで楽しんでもらえるお店を開きたい」と夢を語る。会員制高級ホテルなどでサービスマンやソムリエとして約10年働いたという芝田秀人さん(37)も、「もっと勉強したいと思ったときに知人にこの学校を薦められた。調理や農業、経営まで学べるので、視野が広がる」と話した。
■地域活性の起爆剤に
定員割れの理由はどこにあるのか。同校担当者は、「最大の要因は周知不足。情報発信がうまくできていなかった」と悔やむ。県民だよりや料理雑誌に広告を出しているが、「まだまだ足りない。工夫が必要だと感じている」(担当者)。
また、新設であるがゆえに就職実績がないことも影響しているといい、「受験生や保護者にとって、卒業後の進路がわからないのは不安。卒業生を輩出するまで、しばらく厳しい時期が続くだろう」と分析する。
県は同校を地域活性化の拠点とすべく、周辺に薬膳料理や薬湯が楽しめる、女性をターゲットとした「薬草リゾート」などを整備する計画を推進。先の県議会2月定例会でも28年度補正予算に整備費用など4億5900万円を盛り込んだ。
だが、日本維新の会や共産党の県議は、定員割れの事実や駅から遠いという立地の悪さを批判。計画の費用対効果に疑問を呈している。NAFICが地域活性化の起爆剤となれるのか、今後の行方が注目される。

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