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【鹿角抄(コラム)】 優しさあふれる「高森のいえ」 十津川村に高齢者向け住宅


高森のいえ・外観1 4月下旬、十津川村に新築された高齢者向けの村営住宅「高森のいえ」を取材した。高森のいえは、村に大きな被害をもたらした平成23年の紀伊半島豪雨を教訓に、安全地域とされた高森地区に建てられ、村内移住をきっかけとして集落再編に取り組むものだ。
村の担当者によると、過疎と高齢化が進む「日本一広い」村内では、高齢者は点在する集落に居住。「移動距離の問題など、ヘルパーらが抱える負担は大きかった」のだという。さらに、村内に老人ホームは1カ所しかなく、高額の負担をおして県外の福祉施設に通所する村民も見受けられるようになっていた。
利用者と従事者にとって福祉環境を充実させることが急務となっていたなか、村民の「安全な暮らし」と「充実した人生」を結びつけた高森のいえ。老人ホームのすぐ側にある現地に足を運ぶと、茶色を基調に建てられた5棟の平屋建てが目を引く。ほとんどが村の木材を使い、地元大工の手により建てられたもの。その佇まいからは「おじいちゃん、おばあちゃん。村で元気に、安全に暮らしてね」という村の優しさがにじみ出ていた。
訪れた日はあいにくの大雨だった。ふと、平成26年8月に広島市で発生した豪雨による土砂災害や、28年の熊本地震で経験した被災地での取材を思い出した。家族や長年住んだ自宅を奪われ、消えることのない悲しみをもたらした場所でも、「ここで一生暮らしていく」と決意する人の姿にいつも心を打たれた。
老人ホームを利用しやすいことから入居した高齢女性に軒下で話を聞くと、「生まれ育ったここが良いんよ」と村への愛着を語った。女性は紀伊半島豪雨で自宅近くの山が崩れ恐怖を感じたというが、「ここで一生を終えられたら幸せです」と話した。90歳を超えており、「先は長くないんだけどね」と言いつつも、新生活を楽しみにしている笑顔が印象的だった。
奈良市内から片道3時間ほどの運転。初めて訪れた十津川村は県内とは思えない距離で面食らったが、帰りの道中はなんだかほっこり温かい気持ちになった。      (森西勇太)

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