【やまと人巡り】 本の魅力で人と人をつなぎたい 生駒市図書館長、向田真理子さん
2017年07月18日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
「向田邦子さんの親戚ですか?」。昭和61年に司書として生駒市に入庁した向田真理子さん(54)が、これまで何度も尋ねられた質問だ。直接の関係はないが、祖父の出身地は「向田」のルーツがある石川県。向田邦子の父・敏雄の母も同県出身で、好きな作家との遠い縁を「ひょっとしたら…」と夢想する。
大阪市出身。小説を中心に、週5~6冊を読む大の本好きだ。「棚に並ぶ本を眺めているだけで幸せ」と話すほど、本への愛情は惜しみなく、「司書はまさに天職です」と言い切る。
先日、「夫の病気について知りたい」と来館した女性に、関連本を案内する機会があった。「図書館は楽しい読書の場であると同時に、知識を切実に求められる場でもあると痛感した」と話す。
館長に就任し、今年で5年。6月から閉館後の図書館に市民が集い語らう新しい企画も始めた。「自分の人生だけでは叶わない経験を得られるのが本の魅力。本を介して、人と人をつなげられたらうれしい」 (浜川太一)