【やまと人巡り】 「レスターのようなクラブを目指したい」 バンビシャス奈良広報、和田真智子さん(36)
「サッカー日本代表の岡崎慎司選手が所属するレスターのようなクラブを目指しています」
プロバスケットボールBリーグのバンビシャス奈良(B2)で広報を担当する和田真智子さん(36)はこういって力を込める。
レスターとは英プレミアリーグに所属するプロサッカークラブで、2015―16シーズンにはリーグ初優勝を飾った。プレミアリーグのクラブのサポーター(サッカーで特定チームを応援するファン)はどのクラブも老若男女だれもが熱狂的だが、優勝時に町ぐるみで、特に老婦人が熱狂していたのが目に焼き付いており、「バンビの目指すところだ」と確信している。
「今日は負けたなー」
「明日は勝ってほしいな」
奈良の子供から高齢者まで、みんながバンビシャスを意識し、生活の一部としてこんな会話をする。「バンビがあることで生活にハリができ、奈良にバンビが必要な存在と思ってもらえる。そんなクラブにしたい」と願っている。
9月から始まる2017―18シーズンでバンビシャスは5年目を迎える。まだまだバスケットボールクラブの枠を出ず、奈良の人々の生活の一部となるにはほど遠い。
「もっと奈良のために活動していかないと。(県内)39市町村のすべてがホームタウンと考えて、日本中に奈良を再発見してもらえるようなクラブとしての取り組みを通して、奈良に必要な存在になりたい」
生まれ育ったのは大阪、兵庫。「人に興味があった」と奈良教育大で心理学を学んだが、百貨店に就職して奈良を離れた。それから10年、奈良にプロバスケットボールチームができるということを知り、「おもしろそう」と2013年8月、転職した。
今の広報の主な仕事内容は、産経新聞を始め毎日新聞、奈良新聞に連載原稿を書くほか、クラブのホームページを管理している。高校、大学とバスケットボールをしていたので、ゲームの見どころや結果分析を書くのは苦にならない。ほかにいろいろなイベントの企画もしている。
「多くの人と関わりをもって、相手の気持ちを考えながらも自分で進めていかないといけない。全体との折り合い。百貨店で担当していた販売企画の経験が生かされている」
日々多忙で休みの日はよく寝る。とはいえ、読書も好きで、本屋をぶらぶらするのも好き。先日、車の免許を取ったのでドライブも楽しみたいという。
結びに2017―18シーズンに目指すことを聞くと―。
「試合会場を満員にする。ならでんアリーナだと3000人」。べっぴんさんから熱いものが伝わってきた。 (吉)