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【不染鉄を想う ㊤】 「今も光彩を放ち続けている」  岡本彰夫・奈良県立大客員教授


平成8年に転じされた団扇(個人蔵、図録から)

平成8年に転じされた団扇(個人蔵、図録から)

平成8年4月、没後20年を迎えて奈良県立美術館が「純情の画家・不染鉄展」を開催した。会場は連日の盛況で、図録は会期中に売り切れてしまった。その後八方手を尽くして、図録を求めたが、入手叶わず。20年たった今でも、古書店の検索を繰り返すが、全く姿をあらわさない。
本年没後40年を迎えて、「没後40年・幻の画家・不染鉄」が11月5日まで奈良県立美術館で開催されている。二度と同じ轍を踏まぬよう、図録は2冊手に入れた。
不染鉄は、明治24(1891)年、東京小石川の光円寺の住職の子として生まれ、本名は哲治。昭和4年に哲爾と改名し、鐵二とも号した。若年より画家を目指し、27歳で京都市立絵画専門学校に入学し、在学中から多くの賞を得て特待生にも選ばれた。
若い頃は漁師になったり、出家したりとさまざまな経験を重ねつつ、奈良に住み美術の教師となった。
後に画壇を離れ、自らの美を模索されたのであろう。絵画に添えて書かれた文章にはその心の襞が読みとれる。「神様とは正しい心、親切の事を申します」「神様とはなれては、画も文も皆だめでせう」の言葉は心に深く沁みとおる。
晩年、中秋の名月を田畑の中から眺める自分をシルエットで描いた奈良団扇に、こんな文が添えてある。
「中秋名月。あゝそうか よくわかった。正しい心の人になります。美しい心の人になります。八十三です。いつ死んでも残念でないよう あゝそうか よくわかった。真心だねえ。お月様は神様ですねえ。美しくて立派だ。ほんとに真心の人になれば御友達にもなれると思ふ。歩くとどこ迄もついてくる」
多くの若者に囲まれつつも、晩年を不遇のうちに過ごされたが、翁の影は、今も光彩を放ち続けている。

岡本彰夫さん

岡本彰夫さん

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