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【奈良県立美術館特別展 没後40年 幻の画家 不染鉄⑧】 《仙人掌》埋もれていた作品…急遽出品が決まった代表作の一つ


 昭和8(1933)年 第14回帝展出品作 個人蔵 

昭和8(1933)年 第14回帝展出品作 個人蔵

展覧会の開催をきっかけに埋もれていた作品が発見され、新事実が判明することも多い。本作も奈良での展覧会の開幕直前に奈良県内の民家で発見され、急遽出品が決まった代表作の一つ。
制作前年の昭和7(1932)年、不染は東京と千葉の境に位置する今井という町に移り住んだ。江戸川が流れるこの町は、田畑の間にまばらに家が建ち、夕方にはシラサギが飛ぶようなところだったという。
この頃、仙人掌(サボテン科の多肉植物)の収集に熱を上げており、市場を歩き回っては買い求め、庭に温室を作って大切に育てていた。寒い冬の夜や日差しの強い夏の日は覆いをかぶせてやり、この作品を描く間も朝夕水をやったり夕立の時は大急ぎでガラス戸を閉めたりしていたという。
季節とともに青々と大きくなり、赤いとげや白い毛が芽吹くサボテンを、絵の具を盛り上げるなどしながら質感や量感まで表現している。子細に描き込まれた庭の様子とは対照的に二階建ての家屋は線描や色面を用いて簡潔に描かれている。画面を大きく占めるその描写からは一国一城の主となったような誇らしげな様子も想像される。
伊豆大島での漁師生活や奈良の田舎暮らしとは打って変わった近代的な生活ぶりがうかがえる。また、一方では、パステル調の柔らかな色彩や簡素な画面構成など、この時代に特有の表現も見て取れ、遺品が少ない昭和戦前期の作風をうかがい知ることのできる貴重な作品である。   (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

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