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【奈良県立美術館特別展 没後40年 幻の画家 不染鉄⑨】 《廃船》 他作品と一線を画する圧倒的な存在感を放つ異色作


 昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵 

昭和44(1969)年頃 京都国立近代美術館蔵

晩年の不染は奈良公園近くの屋敷の片隅にあばら家を立ててもらい生活していた。屋敷の門は常に開け放たれていたため小さな家だが自由に出入りすることができたという。やがて地元の展覧会や個展、土産物などを通じて作品に関心を持った人や近くの大学に通う学生が集うようになる。元来、芝居や落語を好み、ユーモラスで話し好きの不染は、こうした人たちの良き相談相手にもなっていた。
本作も若い学生との交流から生み出された作品である。昭和40年代、日米安保闘争や学生運動が全国的に巻き起こっていた時代である。真摯で純粋な学生の思いに触発され、多くの若者の尊い生命が失われた戦争への抗議の意味を込めて本作を制作した。
戦地へ送られ、帰らぬ船となった廃船が浜辺に打ち上げられたようにして横たわっている。燃え盛る戦火を背景に船体は黒く焼け焦げ、所々から排水が垂れ流されている。枯れ野に軒を連ねるぼろぼろのバラックには人影はなく、火が放たれている。まるで傷ついた戦士たちと残された家族を思わせるようなその情景には恐怖や憤り、そして、悲しみといった感情を越えて、ただ虚脱感と喪失感が漂うのみである。
ほかの作品とは一線を画する圧倒的な存在感を放つ異色作である。   (奈良県立美術館学芸課 松川綾子)

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