【春日若宮おん祭】御湯立(みゆたて)神事で始まる 17日には「お渡り式」「お旅所祭」
2017年12月15日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
古都の師走を彩る春日大社摂社・若宮神社の例祭「春日若宮おん祭」が15日、始まり、奉仕者らの身を清める「御湯立(みゆたて)神事」などが奈良市餅飯殿町の同大社大宿所で行われた。
大宿所は精進潔斎(しょうじんけっさい)が行われてきた参籠(さんろう)所で、御湯立は大和郡山市の巫女、加奥満紀子さんが作法を継承している。加奥さんはこの日、大勢の市民や観光客らが詰めかける中、煮え立つ大釜の湯に酒や米などを入れた後、「左右左」と唱えながらササの葉で清めの湯を振りまいた。
大宿所の建物内には、祭りの装束などが並び、華やかな雰囲気に。庭には魚などの懸物(供物)が並ぶとともに、名物料理「のっぺ汁」も振る舞われ、にぎわいを見せていた。
おん祭は平安時代に始まって以来、今回で882回目を数える。メーンの17日には時代行列の「お渡り式」や、田楽や舞楽などの芸能が奉納される「お旅所祭」が行われる。