【くらしと税】 医療費控除① 所得税が軽減されます
医療費控除は、1年間に多くの医療費を支払った場合、一定の所得控除を受けることができ、その年の所得税が軽減される制度です。
要件は1年間に自分自身や生計が同じ家族のために支払った医療費で、対象は、病院や歯科医院での治療費▽医薬品の購入代金▽病院や介護施設などへの交通費▽マッサージ、はり、お灸などの費用▽助産師の分娩介助費用▽介護サービスの自己負担額―などです。
医療費控除額は、最高200万円で、実際に支払った医療費の年間合計額から保険などで補填される金額と原則10万円を差し引いた金額です。例えば、総所得金額400万円の会社員が5万円の医療費控除を受けた場合、課税所得が5万円分少なくなるので「5万円×税率」分の税金が安くなります。税率が10%とすると、所得税が5000円安くなり、住民税も軽減されます。
手続きは、所轄税務署に医療費控除に関する事項を記載した確定申告書を提出します。給与所得者や年金所得者が平成29年分の確定申告書を提出する場合は、「給与所得(公的年金)の源泉徴収票」「医療費控除の明細書(医療費領収書を基に作成したもの)」、または「医療通知書(健康保険組合等発行の『医療費のお知らせ』など)」を確定申告書に添付します。
医療費領収書は添付しなくていいのですが、自宅で5年間保存する必要があります。
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私たちの暮らしに直結する税金。でも、「ちょっと難しい…」と考える方も。そんな税金について、できるだけわかりやすく解説します。(随時掲載)