【熱中症対策】近畿最低の設置率、小中校のエアコン整備へ 荒井知事
全国各地で記録的な猛暑となっていることを受け、荒井正吾知事は24日の定例記者会見で、県内公立小中学校のエアコン設置を後押しするため、緊急的な財政措置を検討すると述べた。奈良の公立学校のエアコン設置率は全国に比べて低く、対応が急がれる。
県内では今月、熱中症疑いで2人が死亡し、救急搬送も急増している。16~22日に救急搬送された人は計426人に上り、4月30日からの累計は775人に。すでに平成28年度(28年4月25日~10月2日)の搬送人数を上回っている。約半数は65歳以上の高齢者だが、小中高校生も143人と約2割を占める。
熱中症予防にはエアコンや扇風機の適切な利用が欠かせないが、荒井知事は「奈良は学校のエアコン整備が進んでいない」と指摘。「緊急に対策が取られるように、市町村への財政措置を検討するよう担当課に指示した」と話した。
文部科学省の調査によると、昨年4月1日現在の県内公立小中学校の冷房設置率は、18・4%(全国平均41・7%)で全国37位。近畿地方では滋賀県が77・9%で最も高く、京都府(68・8%)、大阪府(60・5%)などが続き、奈良は最下位だった。
学校へのエアコン設置をめぐっては、政府も財政補助を検討しており、荒井知事は「国が出てきてくれれば助かるが、そうでなくてもやるという気概が大事。まずは県独自で考えたい」と話した。