死亡事故「多発警報」発令 奈良県内、6日間で10人死亡
県交通対策協議会は6日、今年初めての「交通死亡事故多発警報」を発令した。8月31日からの6日間で計5件(10人死亡)の死亡事故が相次いだためで、発令は平成28年7月以来。県警は20日までの発令期間中、市町村や交通関係団体と連携し、広報啓発活動に力を入れる一方、スピード違反や飲酒運転、信号無視など交通違反の取り締まりを強化する。
同警報は、10日以内に死亡事故が5件に達した場合に発令される。県内では8月31日、バイク3台が転倒し、14~18歳の男女8人が死傷する事故が発生。このほか、ミニバイクと軽乗用車の衝突事故や、名阪国道でトラック2台が追突する事故などが相次いで発生した。
県警は「事故死者数35人以下」を年間目標に掲げている。今年上半期(1~6月)の県内の交通死亡事故死者数は過去10年で最少の15人だったが、ここにきて急増。5日現在で30人(昨年同時期28人)となった。7日には「緊急県下交通課長等会議」を開き、死亡事故抑止に向けた取り組みを確認する。
県警交通企画課は、交通事故が多発する早朝と深夜に「見せる抑止」として、パトカーや白バイでのパトロールを強化する方針。同課は「交通ルールをしっかり守り、速度を落とすなど安全確認をして、事故を起こさないよう気をつけてほしい」と呼びかけている。