葛城市役所また捜索 県警、官製談合事件で
葛城市発注の公共工事をめぐり、入札に関する情報を業者に漏らしたとして、官製談合防止法違反などの疑いで同市建設課課長補佐、福井敏秀容疑者(49)らが逮捕された事件で、県警は14日、市役所などを家宅捜索した。県警は、便宜への見返りがなかったかなど、癒着の構図の解明を進める。同市をめぐる官製談合事件で、県警が市役所庁舎を捜索するのは7月4日以来、2回目。
県警は、市建設課や、公契約関係競売入札妨害の疑いで再逮捕された茅野泰幸容疑者(48)=同罪で公判中=が役員を務めていた建設会社「栄和建設」(同市)などを捜索。同課では午後5時半から約1時間、捜査員約10人が捜索し、工事の記録や関係書類など資料を押収した。
県警によると、問題となったのは平成29年12月に入札された「道の駅かつらぎ」周辺道路の改良工事。福井容疑者は、入札情報を記載した資料を無料通話アプリ「LINE(ライン)」で茅野容疑者に送り、評価が加点されるポイントなどを漏洩したという。
入札は業者の技術力を見定めて選定する「総合評価落札方式」で行われ、参加した4社のうち、技術評価点が最も高かった栄和建設が約8560万円で落札した。
福井容疑者と茅野容疑者は22年ごろ、同市が発注した別の工事をきっかけに知り合ったという。