近鉄奈良駅周辺で「出店荒らし」頻発 ガラス割ってカギ解錠
奈良市の近鉄奈良駅周辺で、営業時間外の店舗から金品を盗む「出店荒らし」が続発している。今月に入り、未遂も含めて十数件発生。被害に遭った店舗は同駅を含む半径数百㍍の範囲内にあり、手口も酷似していることから、県警は同一犯の可能性が高いとみて捜査している。
捜査関係者によると、7日夕方~8日未明にかけ、近鉄奈良駅周辺の飲食店や服飾店、美容室など約10店舗が被害に遭い、合わせて現金数万円や物品が盗まれた。同4~5日にも、同駅周辺のビルや事務所などで数件の被害が確認されている。
いずれもバールのような金属製のものでドアや窓ガラスをたたき割り、クレセント錠やサムターン錠を解錠して店内に侵入。捜査関係者は「プロの仕業だ」とみており、防犯カメラの画像を解析し、容疑者の割り出しを進めている。
奈良市内の飲食店では、7日午後10時50分~8日午前1時ごろ、ドアのガラスを割られ、レジに入れてあった現金約8千円を盗まれた。店員は「ガラスを修理しなければならないので困った。今後はシャッターを下ろし、防犯カメラの設置も検討したい」と話す。また、勝手口のガラスを割られた飲食店の店主は「店には高級な器もあるので不安だ」と話した。
県警生活安全企画課犯罪抑止対策室によると、出店荒らしや空き巣による被害は例年、年の瀬が近づくにつれて増える傾向にあるという。担当者は「戸締まりをするのは当然ながら、留守にしていても室内の電気を付けたり、雨戸を閉めたりして人がいる気配を出すことが重要」と注意を呼びかけている。