福田元首相にアジアコスモポリタン賞大賞、奈良で講演も
東アジアの経済や文化に功績のあった個人・団体を表彰する「第4回平城遷都1300年記念アジアコスモポリタン賞」の授賞式が、奈良市の奈良春日野国際フォーラム甍で開かれた。
同賞は「東アジア・アセアン経済研究センター」(ERIA)と県が創設した国際賞で、受賞者を2年に1度選出している。
今年は大賞に、日中・日韓・東南アジア関係を日本外交の最重要課題として取り組み、ERIAの設立にも尽力した元首相の福田康夫氏が選ばれた。
10日に行われた式典では、ERIAの西村英俊事務総長が受賞者にトロフィーを授与。その後、受賞者らによる記念フォーラムが行われた。
福田氏は「アジアに生きる日本」とのテーマで講演。「アジアは安くて良いものを作ることで発展しているが、いずれ人件費が上がるときがくる」とし、「これから経済を支えるのは文化。単にものを作るのでなく、他にはできない良いものを作る文化力が国力になる。文化の宝庫の奈良がそれを活用しないでどうするのか」と訴えかけた。
他の受賞者は次の通り。
「経済・社会科学賞」=ジュネーブ高等国際問題開発研究所教授、リチャード・E・ボールドウィン氏
「文化賞」=アート集団、チームラボ▽ガラスアーティスト、ノグチミエコ氏
「メモラブル賞」=元ASEAN事務総長、故スリン・ピッスワン氏