宇陀市の「美榛苑」を4月1日から休館 高見市長が陳謝
宇陀市の高見省次市長は15日、次期指定管理者に名乗りを上げる業者がなかった宿泊施設「保養センター美榛苑」について、4月1日からの休館を発表した。高見市長は責任を認めて陳謝。市によると、休館期間は「おおむね半年」で、指定管理料(年間2千万円)の減額なども検討しながら新たな指定管理者を探す方針だ。
美榛苑は昭和55年に老人福祉センターとしてオープン。宿泊棟や大浴場、レストランなどを増築し、現在は客室43室で190人を収容する。平成29年度の宿泊者数は約2万2千人。入浴者などを含めると約12万6千人が利用し、約3億6千万円の売り上げがあった。
当初は市直営だったが、景気の低迷で経営が悪化。20年度には累積負債が約14億円に膨らみ、21~32年度で経営健全化計画を進めている。22年10月から休暇村サービス(東京都)が指定管理者として運営を担ってきたが、来月末の契約終了をもって撤退する見込み。市は新たな次期指定管理者を募集したが、締め切りまでに応募はなかった。
休暇村サービスの撤退に伴い、従業員約40人の雇用を継続するのは難しくなるとみられ、市は対策に全力を挙げる。高見市長は記者会見で「市民、利用者、従業員の皆さんに深くおわびします。美榛苑は市の観光戦略を担う中心施設。改めて公募し、営業再開を目指したい」と述べた。