「児童虐待」通告、過去最多546人 奈良県警まとめ
児童虐待を受けている疑いがあるとして、昨年1年間に県警が児童相談所に通告した18歳未満の子供は546人(前年比75人増)に上り、過去最多となったことが県警のまとめで分かった。県警が認知した児童虐待の件数は359件(同件増)で、こちらも過去最多だった。県警は「児童虐待が疑われる場合には、児童相談所か警察にすぐ通報してほしい」と呼びかけている。
県警によると、認知件数の内訳は、子供の前で家族に暴力をふるう面前DV(ドメスティックバイオレンス)や子供を脅す「心理的虐待」が219件(前年比43件増)で最多。次いで殴る蹴るなどの「身体的虐待」が82件(同1件増)▽育児放棄(ネグレクト)に当たる「怠惰または拒否」が55件(同8件増)▽「性的虐待」が3件(同2件増)だった。
県内では昨年、傷害や暴行、監護者性交などの疑いで、計6人の保護者が摘発された。児童虐待が社会問題として深刻化するなか、県警少年課は児相に調整員として警察官を派遣。児相に相談があった事案の取り扱い方針を決める会議に参加したり、アドバイスしたりしている。
奈良市は平成33年度の児童相談所開設を目指し、パブリックコメントを実施中で、県警は「対応がより厚くなるよう期待している」と歓迎。「児相や学校など関係機関と連携し、子供の命を守るために努めたい」としている。