高松塚古墳石室のレプリカ登場 飛鳥資料館
2019年06月9日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
明日香村の飛鳥資料館庭園に、極彩色壁画が描かれた高松塚古墳(7世紀末~8世紀初め)石室の実物大レプリカが設置された。
サイズは高さ2・1㍍、幅2㍍、奥行き3・9㍍で重さは約15㌧。実物と同じ凝灰岩製で、16個の石材で作られている。盗掘穴を再現し、石の接合部分も同じように加工して漆喰を塗っている。内部の壁面にも漆喰が塗られているが、壁画は描かれていない。
復元された石室は、平成19年に解体作業を始めるに当たり、シミュレーション用として作られた。使用後は長らく同館に保管されていたが、有効活用しようと一部を加工修正し、庭園に設置した。飛鳥資料館は今後、内部に壁画を描くことも検討する。
奈良文化財研究所の松村恵司所長は「高松塚古墳石室の形や大きさ、重量感をこの復元石室を通して知ってほしい」としている。