要注意、「カードすり替え」の手口 詐欺で窃盗、被害急増
高齢者にキャッシュカードを見せてもらい、隙を見て別のカードを入れた封筒とすり替える窃盗が県内で増えている。「カードすり替え詐欺盗」と呼ばれるこの手口は、昨年1年間で15件だったが、今年はすでに11件発生。全国的にも増加傾向にあり、県警が注意を呼びかけている。
「詐欺の犯人を逮捕した。あなたの口座から不正に出金されており、キャッシュカードを使えなくする必要がある」
平群町の87歳の男性は3月26日、自宅に電話をかけてきた警察官を名乗る男から、こんな指示を受けた。男性は言われるがまま、キャッシュカード2枚と暗証番号を書いたメモを用意。金融庁職員を名乗る男が持参した封筒に入れたところ、割り印をするよう求められ、印鑑を取りにいった隙に中身を別のカードにすり替えられたという。男性の口座からは計945万円が引き出された。
今年は先月末までに、同様の手口でキャッシュカードを盗まれる窃盗が11件発生。うち7件が4月以降と急増している。この手口では、封筒を保管しておくように言われ、すり替えられたことに気付かないケースがほとんどという。
県警生活安全企画課の担当者は「被害者にキャッシュカードを渡した感覚がないのがポイント」と指摘。その上で「カードが手元にあるという安心感を与え、犯行の発覚を遅らせることができることが、増えている要因ではないか」と分析する。
担当者は「キャッシュカードを盗まれても、暗証番号がなければお金は引き出せないので、暗証番号は絶対に渡さないでほしい。少しでもおかしいと思ったら相談してほしい」と話している。