県いじめ防止基本方針を見直し 外国人生徒らへの配慮必要
2019年07月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県教委など関係機関がいじめ対策を検討する今年度の第1回県いじめ対策連絡協議会が5日、奈良市の県文化会館で開かれた。国の改定に合わせた「県いじめ防止基本方針」の見直しについて、外国人や性的少数者(LGBT)の生徒・児童に対する対応や、学内のいじめ情報共有の徹底などが改定案として示された。
県教委によると、平成29年度の県内の小中学校と高校、特別支援学校における1千人当たりのいじめ認知件数は37・5件で、前年度の2倍以上に増加。全国平均の30・9件も上回った。小学校では、からかいや悪口など軽度のいじめの早期発見が進み、教職員による発見が82・8%を占めた。
一方で、教職員の目が届かないSNSやオンラインゲーム上でのいじめが増加しており、委員からは「保護者とともに取り組まなければ対処できない」との意見が出た。
いじめ防止基本方針の改定案では、発達障害▽外国人▽LGBT▽原発事故による避難者―といった事情を抱える児童・生徒について、「特に配慮が必要」と明記。また、教職員が学内でいじめ情報を共有しないことを「いじめ防止対策推進法の規定に違反しうる」とした。
今後は11月に第2回協議会を開き、来年2月末に基本方針の完成を目指す。