シカの誤食防ごう 奈良公園で140人が清掃イベント参加
2019年07月11日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
国の天然記念物「奈良のシカ」が観光客が捨てるポリ袋などを食べ、衰弱死する例が相次いでいることを踏まえ、奈良の鹿愛護会は10日、奈良公園の周辺で清掃イベント「クリーンアップならディアパーク2019」を開いた。
イベントには、県内外から約140人がボランティアで参加。午前10時から約1時間半、東大寺大仏殿や春日大社、興福寺の周辺を歩き、落ちているレジ袋やペットボトルなどを拾い集めた。ごみの総重量は53キロにも及んだという。
愛護会によると、ごみは歩道などの人通りが多い場所で目立った。今年生まれた子ジカ約150匹(10日現在)は今月下旬、公園デビューを飾るといい、同会の蘆村好高事務局長は「こんなにごみが落ちているとは想像以上だった。子ジカを公園に戻す前に少しでもごみを減らしたい」と意気込んだ。
兵庫県川西市から参加した主婦(51)は「溝にペットボトルや紙ごみ、ポリ袋などが多く落ちていた。今回の活動が観光客への啓発となり、シカの誤食防止につながれば」と話していた。