近大奈良病院でホスピタルアート 学生らがデザイン
2019年08月19日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
病院を芸術作品で彩り、患者の心を癒やす「ホスピタルアート」が近畿大学奈良病院(生駒市)の小児科病棟で完成し、お披露目された。処置室が鮮やかなパステルカラーに彩られ、診察への不安を和らげる効果が期待されている。
デザインを手がけたのは、近畿大文芸学部文化デザイン学科の森口ゆたか教授のゼミに所属する学生16人。開放的で落ち着く空間にしようと、「森」をイメージした。
木の色合いにグラデーションをかけて奥行きを持たせ、シカやウサギ、サルなど動物のシルエットを描いた。一部はマグネットになっており、動かして遊べる仕掛けも。処置室の入り口には動物の足跡を描き、子供をスムーズに誘導する工夫が施されている。
プロジェクトには、富士フイルムイメージングシステムズ(東京都)が全面協力。病院によると、以前よりも子供たちが泣かないようになったといい、早くも一定の効果が表れているという。原画の大部分をデザインした2年の宮本美来さんは「思った以上の仕上がり。子供たちが処置を怖がらず、安心できる空間になればうれしい」と話していた。