震災伝えるミズアオイ 喜光寺
2019年09月8日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
東日本大震災の被災地、福島県南相馬市ゆかりのミズアオイが、奈良市菅原町の喜光寺で青紫色の花を咲かせている。見頃は今月中旬までの見込み。
ミズアオイは水生植物の一種。湖沼や水田などに生育していたが、最近は除草剤などの影響で減少している。
南相馬市の沿岸部では、津波で地表が削られた後、地下で休眠していたミズアオイの種子が発芽。他の地域でも育て、震災の記憶を語り継いでいく活動に地元住民らが取り組んでおり、喜光寺は昨年4月に種子を譲り受けた。
ミズアオイは7つの鉢で栽培され、可憐な花が参拝者らの目を楽しませている。小林澤應副住職は「被災地から来た花を見てもらい、震災のことを忘れないでほしい」と話している。