「保・幼・小」遊びと学びでつなぐ 新1年生サポートカリキュラム
生駒市は今年度、新1年生がスムーズに小学校生活になじめるよう、入学前からサポートする「保・幼・小接続カリキュラム」を導入した。市内にある全ての幼稚園と保育園、こども園、小学校が連携し、授業や集団生活になじめない「小1プロブレム」の解消を目指すもので、県内では初の試み。
小学校に入学したばかりの児童が環境の変化に適応できず、教師の話を聞かなかったり、授業中に立ち歩いたりする「小1プロブレム」が近年、問題となっている。文部科学省はそこで「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を幼稚園教育要領で明確化。保育園・幼稚園から小学校への円滑な接続が重要と定めた。
令和2年度から全国でカリキュラムが導入されるのに先立ち、生駒市は公立、私立の保育園と幼稚園、こども園計26施設、小学校12校を対象に1年前倒しで実施。入学前年の11月ごろから入学後の5月ごろまでの約7カ月間をカバーし、「生活する力」「関わる力」「学ぶ力」の三本柱でカリキュラムを組む。
入学前はカルタやすごろくなどを楽しみながら、文字や数、図形を学習。入学後は児童にとってなじみのある歌や遊びを取り入れるほか、45分の授業を15分ずつ区切り、集中力を持続させるようなアイデアが提案されている。
また、園や小学校の代表者が集う「推進会議」を年に3~4回開き、児童らの実態や保育、授業内容に関して情報交換する。市こども課の担当者は「地域ぐるみで運用するのが特徴。入学前に交通ルールを学ぶ仕組みも作りたい」と話している。
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接続カリキュラムの導入に先立ち、生駒市立生駒南小学校では10年以上前から、小学生と園児の交流行事が行われている。先月には、5年生の児童と南こども園に通う年長クラスの園児が仲を深める給食交流会が開かれた。
交流会には計約140人が参加。児童らは牛乳瓶のふたを開けてあげたり、会話をしたりしながら、和気あいあいとした雰囲気で給食を食べていた。南こども園の中溝和花ちゃん
南こども園の園児の大半は生駒南小に進学する。