薬師寺東塔落慶や日本書紀1300年…高まる歴史への関心
県内の宗教・文化財分野では今年、さまざまな重要行事が予定されている。まずは薬師寺(奈良市)で約110年ぶりに行われてきた国宝・東塔解体修理の落慶法要だ。一方、奈良文化財研究所などによる発掘調査・研究の進展が見込まれるほか、日本書紀の編纂から1300年を迎え、歴史への関心の高まりも期待されている。
薬師寺東塔は同寺で唯一現存する古代の建造物。約10年にわたる修理で補強工事などが施され、「凍れる音楽」とたたえられる優美な姿がよみがえった。落慶法要は4月22~26日に、一般向けの落慶慶賛法要は5月1~10日に営まれ、さまざまな奉納演奏なども予定している。5月1日~令和3年1月17日には東塔内陣が特別公開され、多くの参拝者でにぎわいそうだ。
他の寺社では、唐招提寺御影堂(奈良市)、称念寺本堂(橿原市、ともに重文)の修理が進められるほか、当麻寺(城市)の国宝・西塔は令和2年度に修理が完了する予定。また、首里城(那覇市)の火災を受け、県は文化財の防火対策などを整える独自の条例制定を目指しており、その具体的な内容も注目される。
一方で、国内最古の正史とされる日本書紀は、養老4(720)年に編纂されてからちょうど1300年を迎える。県はこれを記念するイベントを計画しているほか、東京国立博物館では今月15日~3月8日に特別展「出雲と大和」が開催される。
このほか、興福寺(奈良市)では今春、昨年9月に就任した森谷英俊貫首の晋山式(就任披露)が予定され、華やかな雰囲気に包まれそうだ。