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奈良の香り楽しむ クラフトジン誕生


蒸留器をチェックする板床直輝さん

油長酒造が開発した「橘花 KIKKA  GIN」

地元の素材を使い、味や製法にこだわった「クラフトジン」の人気が全国的に広がりを見せる中、日本酒「風の森」で知られる油長酒造(御所市)が開発したご当地ジンが評判を呼んでいる。奈良にゆかりのあるボタニカル(香味植物)を使った「橘花 KIKKA GIN(キッカジン)」で、担当者は「奈良の風土や歴史を感じられるジンに仕上がった。いろんなドリンクで割って、カクテルを楽しんでほしい」とPRしている。
 ジンは大麦やライ麦などの穀物を原料とする蒸留酒で、ジュニパーベリー(セイヨウネズの実)で香り付けするのが特徴だ。蒸留時にはボタニカルと呼ばれる香味植物も合わせられ、小規模な蒸留所が地域の特性を生かして造る「クラフトジン」が近年、相次いで開発されている。
 日本酒を専門とする油長酒造がジンの製造に乗り出したのは、同社の板床直輝さん(32)がバーで洋酒に出合ったことがきっかけだった。日本酒は熱燗や冷酒にして飲むのが一般的だが、洋酒はさまざまなドリンクや果実を混ぜて味わうことが多い。板床さんは「洋酒の奥深さに感銘を受けた。違う酒の文化に触れてみたいと思った」と話す。
 同社は、ジンを蒸留するのに必要なスピリッツ(蒸留酒)の製造免許を持っていたことから、平成29年1月、社内に蒸留部門「大和蒸溜所」を立ち上げた。
 開発を任された板床さんは「奈良で造る意味を見いだせる酒にしよう」と、奈良にゆかりの深いボタニカル選びに着手。まず選んだのが、万葉集や日本書紀にも登場するかんきつ系の樹木「大和橘」だった。
 「香りがよく、さわやかさを全面的に生かしたものが造れると考えた」。次に漢方薬の原料として古くから県内各地で生産されているセリ科の「大和当帰」を選び、「奈良の歴史を閉じ込めたジン」のコンセプトに沿ったジン造りに乗り出した。
 しかし、社内に蒸留の知識や技術を持った人はいない。全工程を一人で担う板床さんは手探りのまま、さまざまな文献を読みあさって蒸留技術を学んだ。「やはり何度も蒸留を試すことが大切だった。他にはないおいしいジンを作りたかった」と試行錯誤を繰り返した結果、昨年4月、ついにキッカジンが誕生。販売にこぎつけた。
 キッカジンの最大の特徴は香りにある。口に含むと、大和橘の華やかさと大和当帰の甘くさわやかな香りが鼻に抜ける。アルコール度数は一般的なジンよりも約15%高く、度数の違いによって香りの変化を楽しめるという。初回出荷分の約600本はすぐに完売。現在は月間800本を生産している。
 今後は海外販売も視野に入れているといい、板床さんは「日本酒とジンで相乗効果を生み出し、新たな酒の文化を築き上げていくことができたら」と意気込んでいる。

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