県コンベンションセンターの開業は4月1日、MICE誘致に参戦
2020年01月22日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
県は21日、建設中の県コンベンションセンター(国際会議場)の開業日が4月1日に決まったと発表した。3月29日に 落成記念式典、4月4、5日にまちびらきイベントを予定。大規模な国際会議や展示会などのMICE(マイス)誘致にいよいよ乗り出すことになり、荒井正吾知事は「観光地としてのグレードが上がる」と期待を込めた。
県コンベンションセンターは地上2階、地下2階建て、延べ床面積約3万5千平方㍍。2千人収容のコンベンションホールと14の会議室のほか、500人収容の「天平ホール」や「奈良 蔦屋書店」が入る観光振興施設などで構成。事業費は15年間の維持管理費を含め約228億円。建設から運営までを民間業者に委託するPFI方式を採用している。
MICEは、「Meeting」(会議・研修)、「Incentive Tour」(報奨・招待旅行)、「Convention」、または「Conference」(大会・学会・国際会議)、「Exhibition」(展示会)の頭文字をとった造語。一般的な観光旅行に比べ消費額が大きく、MICE誘致の国際競争が活発化している。
近畿では、大阪国際会議場(収容人数2754人)や国立京都国際会議場(同2500人)、神戸国際展示場(同4千人)といったコンベンション施設がMICEを誘致している。
県によると、8日現在の仮予約件数は事前相談を含め155件。4月に「ACI(国際空港評議会)アジア太平洋地域総会」、月に「全国自治体病院学会」や「国際妊娠高血圧学会」といった大規模な会議の仮予約が入っているという。
荒井知事は21日の定例記者会見で「これまでなかった観光需要の掘り起こしが期待できる」と話し、地域の食材の魅力を楽しむガストロノミーツーリズムの2022年世界フォーラムの開催に意欲を見せる。その誘致のため、22日からスペインに出張するという。
県コンベンションセンターは、北側に外資系高級ホテル「JWマリオット」、南側にNHK奈良放送局が隣接。県によると、JWマリオットの開業は「4月中」の見込み。