北朝鮮に拉致された被害者の即時全員帰国に向けた「拉致問題を考える国民の集いin奈良」が24日午後2~4時、奈良春日野国際フォーラム甍(奈良市春日野町)で開催される。3日には神戸市出身の有本恵子さん(60)=拉致当時(23)=の母、嘉代子さんが娘と再会を果たせないまま、94歳で死去。高齢家族の切迫した実情が浮き彫りとなる中、被害者家族は世論の高まりを切望している。
「国民の集い」は平成20年から全国各地で開かれているが、県内では初開催となる。
集いでは、昭和52年に拉致された横田めぐみさんの弟で、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長の横田拓也さんが「北朝鮮よ!姉を帰せ!」と題して講演。55年に語学習得のため訪れていた欧州で拉致された松木薫さん=拉致当(26)=の弟、信宏さん(48)が被害者家族を代表し、有本嘉代子さんとの思い出や活動の現状などについて報告する。
また、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない特定失踪者の家族を代表して、堺市の自宅から散歩に出たまま不明となった植村留美さんの父、照光さんが思いを語る。
松木さんは「膠着状態に映る昨今だが、動くときは一瞬。何がきっかけになるか分からないので、ひたむきに(活動を)やり続けるしかない」と話している。
主催する政府拉致問題対策本部と県が14日までに参加者300人を募集したが空席があるため追加募集を検討している。問い合わせは県知事公室国際課(0742・27・8477)。