新型コロナに負けるな サプライズ花火で卒業祝い
2020年03月20日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
ドーン、ドーン-。19日午後7時ごろ、奈良県香芝市の夜空に突如、大輪の花が開いた。色とりどりの花火を打ち上げたのは、市内に工場を構える老舗花火業者。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、卒業式の縮小を余儀なくされた児童・生徒を思い、彼らを元気づけるためのサプライズだった。
〝卒業花火〟と銘打ってサプライズを仕掛けたのは、日本三大祭の一つ「天神祭」などで打ち上げ花火を手がける「葛城煙火」(大阪市西成区)。古賀章広社長と喜田真央常務が「新型コロナで閉塞感が漂う世の中をどうにかしたい」との思いから企画したという。
工場がある香芝市のほか、隣接する葛城市や大和高田市などではこの日が小学校の卒業式。夏の「二上山花火大会」で打ち上げ場所の提供を受ける地元自治会の協力を得て、実現にこぎ着けた。
人ごみを避けるため事前告知はせず、午後7時から打ち上げを開始。香芝市の花「すみれ」をイメージした花火など2~4号玉計発が15~20秒間隔で夜空を彩った。
香芝市立下田小学校の山口仁大さん(12)は「迫力がすごかった。卒業式は小さくなってしまったけど満足です」と喜び、妹の晴愛さん(9)は「いろんな色があってきれいだった」と感激していた。