奈良ク スポンサー20社撤退
日本フットボールリーグ(JFL)の奈良クラブは今月23日、奈良市内で記者会見し、ホームゲームの入場者数を水増ししていた問題の影響で、昨季までのスポンサー20社が相次いで撤退したと発表した。2月に就任した浜田満社長は、内部調査の結果を明らかにした上で「公の場での説明が遅くなり申し訳ない。信頼を回復すべく、クラブとして一から進んでいきたい」と謝罪した。
クラブによると、水増しはJFLに参入した2015年度から5季にわたって行われ、昨季は1試合平均で567人を水増しして公表。トータルでは約2万人にも上る。浜田社長が明らかにした内部調査結果によると、本来カウントしないスタッフや関係者を加えた上で、入場者数を1・3倍にするなどして発表していた。
クラブ側は昨年12月に問題が発覚して以降、水増しの経緯や今後の対応について、文書やホームページで発表。ファンクラブ会員限定の説明会を実施する一方で、当時の中川政七社長は「すでに説明と謝罪は済んでいる」として公の場に現れないまま、今年1月末で辞任した。
浜田社長は中川氏ら旧経営陣に記者会見を開くよう求めたが、応じなかったとしている。
水増し問題の影響は経営にもおよび、昨季までのスポンサー約200社のうち社が撤退。新型コロナウイルスによる景気悪化も追い打ちとなり、今季は約9千万円の収入減が見込まれているという。
浜田社長は「収益減は増資と経費削減でなんとかなる見通し」と説明。その上で、「今年はクラブとして変わったかどうかが評価される一年。厳しい目で見てもらいたい」と話した。