県警がYouTubeを積極活用 交通安全啓発、就活学生に
新型コロナウイルスの感染拡大に収束の気配が見えない中、県警が動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」を積極的に活用し、情報発信している。4~5月に予定していた交通安全教室や採用説明会は軒並み中止に。県警はそこで「動画なら、いつでもどこでも何回でも見られる」と交通安全の啓発や就活学生へのPRに役立てている。
6~15日は春の交通安全県民運動の期間中で、例年はさまざまな関連イベントが開催される。例年は4~5月に40回以上開かれる交通安全教室も含め、すべて中止となった。
交通企画課は3月中旬から、交通安全に関する動画を撮影し、YouTubeの県警公式チャンネルにアップ。これまでに7本の動画を配信している。
撮影に参加するのは主に同課員とその家族ら。奈良公園(奈良市)で7、8日に行われた撮影には、県警マスコットキャラクターの「ナポくん」も登場。自転車の正しい乗り方を紹介するとともに、交通ルールの遵守を呼びかけた。
同課安全教育係の威徳理香子巡査部長によると、目指すのは「親しみやすく、分かりやすい動画」。カメラの向こうにいる相手に語りかけるように心がけているといい、「交通安全教室は進級、新入学の児童にとって大切。意識や行動を改めたり学んだりするきっかけになれば」と話す。
一方、県警がこの春予定していた令和2年度の採用説明会も軒並み中止に。11日には、謎解き型捜査体験や体力試験の〝予行演習〟を盛り込んだ体験型説明会が初めて企画されていただけに、参加予定者からは残念がる声が相次いで寄せられたという。
学生らの声を受け、警務課は「将来を決める大切な職業選択の機会。組織のことを知った上で受験してほしい」と考え、「組織概要編」「業務紹介編」「警察学校編」からなる3本の紹介動画を公式チャンネルに投稿。いずれも3分程度とコンパクトな内容だ。
動画では、同課採用担当の川村友彦警部が、警察の仕事について分かりやすく解説。「採用説明会が中止になり、不安を抱えている学生は多いと思う。動画を見て警察に興味を持ち、不安を解消してもらえたらうれしい」と話している。