傑作ずらり 鎧の「美」堪能 春日大社で特別展
鎧の魅力を紹介する特別展「Enjoy鎧 日本一の鎧を楽しむ」が、春日大社(奈良市)の国宝殿で開かれている。国宝「赤糸威大鎧(梅鶯飾)」(鎌倉時代)など約30件を展示。国宝殿は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、6月5日まで臨時休館していたため、会期を9月23日まで延長した。
貴族や武家から信仰があつかった春日大社は甲冑や刀剣の宝庫。今回は大鎧や胴丸などの傑作を並べ、その構造や美の理由なども知ってもらうことにした。
展示品のうち、「赤糸威大鎧(梅鶯飾)」は威糸が紅花染めで、金物はウメやウグイスなどが意匠化されていて美しい。修理の際の記録写真を通じ、構造まで詳しく分かる。「春日社宝蔵鎧四領之図」(江戸時代)は春日大社に伝わった2領の赤糸威大鎧と2領の黒韋威胴丸の実写絵図で、精細に描かれている。
国宝殿の渡辺亜祐香学芸員は「鎧はきれいで格好よく、見て楽しめるが、構造を知ればさらに面白くなる。展示を通じ、それが伝われば」と話している。
会場では、マスク着用など新型コロナウイルスの感染防止対策を呼びかけている。
大人500円。高校・大学生300円、小・中学生200円。今月13日は展示替えのため休館。問い合わせは春日大社(0742・22・7788)。