奈良市、初の転入超過 昨年、技能実習生の増加が要因
2020年08月27日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
昨年1年間の奈良市への転入者は転出者を384人上回り、平成25年に外国人を含む統計が開始されて以来、初の「転入超過」となったことが分かった。ベトナムと中国からの技能実習生を主とする、外国人の転入が最大の要因となっている。
総務省が発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、昨年1年間の外国人の転入は1264人で、過去最多とみられる。市によると、介護福祉の技能実習生として来日している外国人が大幅に増加しているとみられ、仲川げん市長は「一時的な人口増も含めて、奈良に触れていただく機会になるので歓迎したい」と話した。
世代別では、0~4歳が192人、35~39歳が123人の転入超過。JR奈良駅周辺のマンション開発などが影響しているとみられる。
一方、20~24歳は転出者が転入者を568人上回り、統計を取り始めて以来最多の転出超過となった。大阪や東京への流出傾向が顕著で、地元の雇用を生む産業政策が重要な課題となっている。