近畿大学、県理容生活衛生同業組合が中年男性用ヘッドスパを開発
中年男性がリフレッシュできるヘッドスパを提供したい―。こうした思いから県理容生活衛生同業組合(奈良市)は近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)とタッグを組み、中年男性向けのヘッドスパ「SUZAKU」を開発した。12月から県内の理容室10店舗でサービスを開始している。
開発は、昨年6月に同組合が同学部キャリア・マネジメント学科の中谷常二教授のゼミに協力を依頼してスタート。
「ヘッドスパをオーダーする客は2割に満たない。利用者の多い中年男性の顧客満足度を上げたいと思った。同組合青年部長の今西正樹さんはこう話す。
調査や話し合いを重ねた結果、学生側からは、理容室ではシャンプー台でヘッドスパを行うことが多いが、リラックス効果を高めるため、一連の流れを完全に分ける▽椅子を寝かせて楽な姿勢で行う▽視覚を遮断し、手が楽になるようクッションを置く―といった提案が出された。
こうした提案をもとに、手順などを記したマニュアルを同組合が制作。また、販売プロモーションのための名前「SUZAKU」やキャッチコピーも考えた。 「SUZAKU」は中国の伝説上の神獣「朱雀」と奈良の観光スポットでもある平城宮跡の朱雀門から名付けたという。キャッチコピーには、「頭皮にも休息を」「イイ男は頭から」など印象的な言葉が並ぶ。
県内の理容室は、約700軒あった20年前と比べて半減しているという。店主の高齢化に伴う廃業や、安価な大手チェーン店に客が流れる状況下にあるが、「若い学生たちのアイデアを取り入れ、見せ方を変えることで、多くの人に利用してもらうことにつながれば」と中谷教授は話す。
ヘッドスパは10分間1100円。問い合わせは、県理容組合青年部リコダプロジェクト(0743・76・8838)。