高校生が弥生時代の人物画を研究 橿原高校と橿原市博が連携展
高校生が約2千年前の弥生時代の人物画を研究し、その成果を紹介する企画展「弥生ARTを科学する」が歴史に憩う橿原市博物館(同市)で開かれている。県立橿原高校と同館の連携イベント。デフォルメされた絵に隠された弥生人の思いに迫っている。6月20日まで。
研究したのは考古学研究部の2年、高田朱桜さん(17)▽同、黒仁田愛香さん(17)▽1年、小澤亮太さん(16)▽同、中井知世さん(16)▽同、竹中美咲希さん(16)。
5人は坪井遺跡(橿原市)と唐古・鍵遺跡、清水風遺跡(いずれも田原本町)の3遺跡で出土した13点の絵画土器を約半年間研究。
絵画土器に描かれているシャーマンなどの人物画について、頭や腕、脚、肩幅などの長さを比較したり、顔や腕の上げ下げの動作、服の模様の表現方法などを細かく分析したりした。
その結果、大切な部分ほど大きくし、そうでない部分は簡単に描くデフォルメを行い、絵がパターン化していることが判明。「バランスは悪いものの、作者の考えを他の人に伝えるための工夫がある。その点では『絵が上手』といえる」と指摘している。
展示では、パネルなど約30点で研究過程を紹介。分析に使われた絵画土器も並べている。
黒仁田さんは「弥生時代の人物画を深く学ぶことができた。知識が広がり、楽しかった」。高田さんは「シャーマンと考えられる人は大きく描かれ、崇められる存在だったと思う。弥生の人物画は見て楽しく、この企画展も多くの人に見ていただきたい」と話している。
同館は「独自の視点で観察・分析しており、高校生の熱意を感じてほしい」としている。