奈良時代の大安寺に迫る 上原真人氏の著書出版
2021年04月30日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
上原真人・京都大名誉教授が歴史講座で講義した内容をもとにした著書「奈良時代の大安寺ー資財帳の考古学的探究」が、東方出版から出版された。奈良時代の平城京で壮大な伽藍を誇った大安寺(奈良市)の実態に迫り、研究への問題提起ともなっている。
「大安寺歴史講座」として平成28年に3回にわたり講義した内容に加筆して書籍化。6つのテーマで構成されている。
「大安寺の基本財産となる仏像」では、仏像リストの修正私案を示し、天平年間の大安寺の仏像群について解説。さらに別の章では、僧、道慈が成した「改造大寺」について明らかにしているほか、膨大な資産が帰属する聖僧像や、食堂の位置も探っており、大安寺を知る上で興味深い一冊となっている。
編者は河野良文・大安寺貫主。1980円。大安寺(0742・61・6312)や書店で販売中。