児童ら奈良時代の瓦を発掘、山添・毛原廃寺跡
2021年06月16日 産経新聞奈良支局 最新ニュース
奈良時代に平城京の大寺院に匹敵する大規模な七堂伽藍が並んでいたと推定される山林寺院の毛原廃寺跡(山添村)で、地元の村立やまぞえ小学校の5、6年の児童計42人が発掘体験に挑戦した。
体験は、村教育委員会と県立橿原考古学研究所が調査している建物跡で実施。子供たちに郷土の歴史を体感してもらおうと初めて企画された。
橿考研の調査員から「毛原廃寺は世界遺産の唐招提寺(奈良市)と同じくらいの規模のすごいお寺」と説明を受けた児童たちは、竹べらをもって発掘現場へ。奈良時代の瓦を次々と堀り上げた。
乾優太君(12)は「大きな瓦を掘り上げた瞬間が楽しかった」、山口智子さん(11)は「家の近くに、こんなすごい場所があるのを知ってうれしい」と話していた。
毛原廃寺跡は文献に登場しないが立派な礎石が数多く残り、金堂や塔などの跡が国史跡に指定。今回の発掘体験現場も、礎石の上に柱が立つ建物跡で仏堂と推測され、貴重な遺構とされている。