コロナ感染 自宅療養の注意点
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、県内でも患者を受け入れる病床がひっ迫するおそれが強くなっている。自宅療養を余儀なくされた場合、気をつけるポイントは何か―。
厚生労働省は家庭内感染を防ぐため、▽部屋やトイレを分ける▽感染者の世話は限られた人にする▽マスク着用▽こまめにうがい・手洗い▽ドアノブなど共有部分の消毒|といった対策を挙げる。
県医師会の安東範明会長は「デルタ株を防ぐには不織布マスクが重要。使い捨て手袋や大きめのゴミ袋を備蓄しておくと、簡易の防護服になる。また、感染者の入浴は最後にしてほしい」と話す。
また、普段から水や、おかゆといったレトルト食品、ゼリー飲料などを準備しておいた方がよい。自分が住んでいる自治体の支援体制も調べることも有効だ。例えば、奈良市、天理市などは食料品やマスクの提供、買い物や医薬品受け取りの代行を実施している。
自宅療養中に最も警戒が必要なのが症状の悪化だ。
安東会長は「陽性者の多くは軽快するが、発症から1週間前後に病状が急変する場合もある」とする。容体の把握に有効なのが、各自治体が貸し出す血中酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」だ。厚労省は、96%以上を軽症、93%超~96%未満を中等症I、93%以下を中等症Ⅱとする。
安東会長は「94~95%は息苦しく、かなり咳が出る状態。家族はいつでも保健所などに連絡できる態勢をとる必要がある。93%以下は呼吸不全で、救急車を呼んでもいい。携帯電話を枕元に置くことも重要だ」と話している。
◇緊急性の高い主な症状◇
・顔色が明らかに悪い(※)
・唇が紫色になっている
・息が荒くなった
・胸の痛みがある
・座らないと息ができない
・肩で息をしている
・ぼんやりしている(※)
・もうろうとしている(※)
(※)は家族らが確認
(厚生労働省の資料より)